bjリーグでは、薬物問題対策委員会からの答申を受けましたので、「報告書(サマリー)」にてご報告いたします。
詳しくは
bjリーグHPをご覧ください。
滋賀レイクスターズも、bjリーグと協力し、今後の違法薬物対策を不退転の覚悟で取り組んでまいります。
2012年4月18日
bjリーグコミッショナー
河内敏光殿
bjリーグ薬物問題対策委員会
委員長水戸重之
委員山本浩
委員宮裕
報告書(サマリー)
当bjリーグ薬物問題対策委員会(以下「委員会」)は、bjリーグコミッショナーに対し、以下のとおり報告、答申する。
I 総括
1)違法薬物の使用は、犯罪行為であり、反社会行為である。のみならず、それはスポーツマンシップに反し、競技者の精神と肉体を蝕むものである。子供たちに夢を与え模範となるべきスポーツ選手がかかる違法薬物の使用をすること又はそのように疑われること自体、子供たちに悪影響を与え、スポーツの価値を著しく損なうことになる。
2)したがって、選手、選手が所属するチーム会社、チーム会社が所属するリーグは、違法薬物の使用、所持、販売等、違法薬物への関与がないよう、自らを厳しく律し、また関係者を管理すべき責務がある。
3)今般のリン・ワシントン選手の大麻取締法違反容疑による逮捕(3月30日に釈放。以下「ワシントン事件」)に端を発するbjリーグ所属選手への違法薬物疑惑は、以下にみるように、今回の精密検査では陰性との結論を得たが、このことが直ちに過去及び将来に亘りbjリーグに所属する選手がすべて違法薬物と無縁であることの証明となるものではない。むしろスポーツ選手はその華やかさと肉体の酷使という面から、常に違法薬物使用の誘惑にさらされる危険があることを十分に自覚すべきである。
4)その意味では、このような危険があるにもかかわらず、これまで違法薬物使用を防止する何らの策も講じていなかったbjリーグの薬物問題に対する準備及び体制はきわめて不十分であったと言わざるを得ない。リーグ全体の問題として薬物問題への対応のための体制作りを行うことが喫緊の課題である。薬物問題に終わりはない。リーグ及びチーム会社はこのことを自覚の上、今後も緊張感をもって継続的に薬物問題に取り組むべきである。
II 調査の経緯と報告
1 簡易キットによる全員検査と精密検査実施の指示
3月16日、bjリーグにより、選手全員を対象として、簡易キットを用いた薬物検査(以下「一次検査」という)が実施された。その後、同月22日にその正式報告を受けた委員会は、一次検査の方法及び検査結果を検証した。
その結果、一部に陽性反応が出た者がいたが、この検査がワシントン選手の大麻事件
の報告を受けた後、短時間で緊急に全選手に対して行なうという簡易検査だったため、(1)キットを使用した検査に当たって手続き的に厳密性を欠く部分があり、検査結果をもって直ちに特定の人物の使用と断定することが法的に困難であること、(2)選手の中に違法薬物と同一の成分が含まれている可能性がある治療薬を処方されているケースが想定されたことから、一次検査の結果のみに基づいて違法薬物摂取の事実ありと認定することはできないと判断せざるを得なかった。
以上を勘案して、委員会は一部の選手について精密検査をする必要があると判断し、チームに対して精密検査の実施を指示した。
2 要再検査対象者に対する精密検査
精密検査は2012年4月3日から4月5日にかけて、精密検査が必要と判断された5名の選手に対して実施された。精密検査は、医師立会いのもと、わが国唯一の世界アンチドーピング機関(WADA)指定のドーピング検査機関であり薬物検査において実績のある三菱化学メディエンス株式会社の定める方法により実施された。検査結果としては、当該5名全員につき陰性との結論であった。
なお、本検査は個人及び団体に関する個人情報及びプライバシーを含むものであり、本検査の取扱いにおいて、個人又は団体の権利を侵害することのないよう、十分留意されたい。
III ワシントン事件の検証
ワシントン事件に関する調査については、委員会が設置された3月15日のbjリーグの代表者会議において、一次的には所属チーム(大阪エヴェッサ)の設置した外部調査委員会(以下「チーム委員会」)の調査に委ねることを確認した。4月6日、委員会
はbjリーグを通じてチーム委員会の報告書を受領した。委員会においてその内容を検討した結果、チーム委員会が実施した調査は、調査方法及び調査結果において適切なものと判断した。
IV 提言
委員会は以上の結果を踏まえ、bjリーグに対して以下のとおり提言をする。
1)薬物問題に対処するための恒常的な内部機関(委員会等)を設置すること。
2)違法薬物使用の防止を目的とした抜き打ち検査の実施や違法薬物撲滅キャンペーンへの協力等、薬物問題全般に対する真摯な取り組みを行うこと。
3)違法薬物対策のみならず、アンチドーピング対策も可及的速やかに導入すること。
以上